SPIEGEL ONLINE - 2011年4月8日
脱原発をめぐる論争は、エネルギー業界の統一戦線を破砕した。ドイツの重要な業界団体、エネルギー・水道事業連合会(BDEW)は、原発廃止の意向をはじめて明らかにした。原発業界は腹を立てており、さらにE.onは、BDEWからの脱退も念頭におくとしている。
ドイツのエネルギー業界で、脱原発をめぐる表立った軋轢が生じている。ドイツの全国エネルギー・水道連盟(BDEW)首脳部の方針転換がその理由だ。連合は、“早急かつ完全な原子力利用からの脱却”を公言した。これは、連盟に属す原発業界の意思に反するものだ。
連盟によると、連盟首脳部は、可能な限り2020年に、遅くとも2023年にはドイツ国内最後の原発が系統への供給網からはずされるべきであると臨時会合で決めた。とはいえ、この意見は全ての会員を代表するものではない。
ドイツの最大手エネルギー供給会社E.on社は、まず最初の反応として、この連盟の決定に対し距離をおいている。E.on社は、業界団体によって決められた国内の原発廃止に関する具体的な日付の確定は“基本的に間違って”おり、その決定を支持しないと明言した。まず、新たな脱原発期限を設ける前に、新たなドイツのエネルギー戦略が策定されるべきだ。E.on社広報担当は、最新動向のバックグラウンドを確認する中で、E.on社はBDEWへの加盟を続けるか検討する。
原発を稼動させているRWE社もまた、連盟の決定を拒否している。Vattenfall社もこの決議に反対票を投じ、4社目の原発事業者EnBW社は会議に参加していなかった。
BDEW理事会の会長、ミュラー氏は、もちろんそれぞれの企業がこの決定を個別に評価している。それは正当なものであり、しかしこの業界の合意を不確かにするものではない。