2011年4月22日

エネルギーシフトのための倫理委員会「ある種の新産業革命」(要約)

南ドイツ新聞 - 2011年4月21日

原子力から撤退しながらも、電気料金を上げたり、原子力発電による電力を輸入しない。この課題は不可能に思える。元連邦環境大臣クラウス・テプファー率いる倫理委員会が、エネルギーシフトにおいて政府の助けとなるだろう。

連邦政府設置のエネルギーシフトに伴う倫理委員会は、ドイツにおける電力供給の根底からの建て直しについて言及した。会議の最後でテプファーは、国の将来性にとってエネルギーシフトがとりわけ重要であることを強調し、「今我々の目の前に立ちはだかっているのはある種の新産業革命であるという前提でいる」と語った。

「ドイツで原子力エネルギーをやめる」のは大事だが、エネルギーシフトによって国民に電気料金負担をかけてもならない上、雇用や温暖化防止に悪影響を及ぼしてもいけない。倫理委員会は、メルケル首相(CDU)に脱原発までの具体的な年数や時間枠を勧告するのかは明らかにしていないが、「何かしら言及する前提でいて構わない」と見解を回避してはおらず、日付を見るだけでなく「そこまでの道筋を示さなければならない」とテプファーは言う。さらに、ドイツが原子力発電による電力を外国から輸入している現実を受け入れなければならない、と述べると同時に、これからも原子力を続ける国々にドイツが「倫理的な酷評」を科すのだと警告する。ドイツはフランスやチェコの原子力発電からも電力を輸入している。両国および他の隣国はこれまで原子力エネルギーから撤退する意向を表明していない。

ザールラント州のSPD代表のハイコ・マースは、原子力発電による電力のドイツへの輸入禁止を求め、政府がエネルギーコンツェルンとの交渉において契約で取り決めるよう求めている。「徹底して脱原発を進めておきながら、エネルギーコンツェルンが原子力発電による電力を購入してドイツの送電網に送り込むなんてことはありえない」。やむをえなければ再生可能エネルギーによる電力をスカンジナビアなどから購入してもいいだろう。信頼性ある「エネルギーシフト」を可能にするにはそうするしかない。

倫理委員会のメンバーは様々な分野からの17人で構成される。2010年の秋に黒黄政権が国民の抗議を無視して単独で稼働延長を決めた時とは違い、メルケル首相は将来のエネルギー供給について広範囲のコンセンサスを得ようとしている。委員会はその際に政府に助言を与え、社会の議論を求めることでサポートする。遅くとも5月末には政府に報告書を提出し、6月半ばまでには原子力エネルギーからの撤退は法的に導入されることになる。

http://www.sueddeutsche.de/wirtschaft/ehtik-kommission-zur-energiewende-eine-art-neue-industrielle-revolution-1.1087828