2011年5月18日

レットゲン環境相、即時的な脱原発には同意せず(要約)

南ドイツ新聞 - 2011年5月17日

原子炉安全委員会(RSK)はここ6週間でドイツの原発を点検した。結果、法的な安全基準は満たしているものの、航空機の衝突に対する対策は不十分であることが明かとなった。しかしながらレットゲン環境相はこれを焦って脱原発する理由とは見ず、ストレステストが性急な脱原発を結論づけるわけではない、とする。だが「無理なく代替で補えるスピードで脱原発する」道筋を探さなければならない、との主張に留まった。報告書は広範に渡り現時点ではまだ評価できない、と言う。

どの原発を停止するかという政府の決定にこの報告書が大きな影響を持つ。連邦政府は福島原発事故の後、ストレステストを原子炉安全委員会(RSK)に委託。原発の残る稼働年数を決める新しい原子力法は、6月6日に内閣で可決される見通しだ。

報告書が公表される前に既に批判があった。シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の原子力監督担当は、試験の期間が短いと環境省と委員会に苦情を出し、「指定された短期間では原発を監督するための評価は不可能」と認めざるを得なかったという。さらに、運営者への質問の多くは「通常の裏付けなしに」運営者自らの予測だけで出されたようだとの批判がある。発言の精査はほぼ不可能だろう。

緑の党は、これでは原発停止決定の判断材料になりえないとする。ジグマール・ガブリエル(SPD)も懐疑的だ。「原発を本当に点検しようとすれば少なくとも1年半はかかる。」また、彼が環境相の任期中に作成した新しい安全性基準は現政権(黒黄)になって無効にされたようだ、と彼は言う。安全性は30 年前の古い目録をもとに点検されたようだ。これは無責任と言えよう。

安全性チェックの結果は、エネルギー供給のための倫理委員会の最終報告書のベースとなる予定。その原案は既に公表済みだ。そこでは2021年までの脱原発と現在停止している8つの原発の即閉鎖が検討されている。

http://www.sueddeutsche.de/politik/bericht-zur-akw-ueberpruefung-stresstest-unter-stress-1.1098331