2011年5月31日

連立与党の協議結果、2022年までに脱原発(要約)

南ドイツ新聞 - 2011530

前政権の脱原発を覆すことを決めてほんの7ヶ月後、連立与党はエネルギーシフトへ軌道修正で折り合いをつけた。数時間に渡る協議の後の月曜未明にレットゲン環境大臣は連立与党で見解をまとめたことを語った。あとは野党へ広く賛意を求めるばかり。CSU代表ホルスト・ゼーホーファーは、高レベル廃棄物の最終貯蔵地問題についてゴアレーベンの代替地の検討に反対していたが、再検討に理解を示し驚かせた。

協議結果のポイントは、
・ドイツの原発のほとんどを2021年までに閉鎖
・残る原発(新型の3基)は安全供給確保のために残すが、これらも遅くとも2022年までに閉鎖
・現在停止中の7基とクリュンメル原発はそのまま閉鎖(ただし、そのうち1基は2013年まで冷温状態で保持しておく。電力不足の際はまず化石燃料による発電で対処するが、それでも足りない場合に2年後の冬まで緊急用として用いる)
・燃料税はそのままとする(2016年まで有効とし、1基につき年間2030億ユーロを連邦予算に算入。しかし停止した7基とクリュンメル原発については年間10億ユーロに減額)
・連立与党は新たな原発と電力貯蔵装置の建設を加速する(電力網の構築を急ぐとともに、重要なインフラ計画がより早く実現できるようドイツ統一時のように計画加速法を整備するべき)

メルケル首相はこの計画は倫理委員会の勧告に添うものだとする。今回の協議結果では平均して32年の稼働年数になるが、これはかつての赤緑政権の脱原発の決定に相当する。レットゲンは当時野党としてこれを「エネルギー政策の不発弾」と嘲っていた。FDPは時間的猶予と修正条項を求めたが、レットゲンは「見直しはできない」と修正条項はないことを強調。

協議では燃料税についてはひとまず継続することで一致した。メルケル首相は、交渉の間にすでにSPDと緑の党に現状を伝えていた。野党はまだ疑問視しているものの、SPDは既に賛意を示唆したようだ。電力会社RWEは、「2022年は我々が望む日付ではない」と、法的手段に出る構えだ。RWEはモラトリウムに対しても既に訴訟を起こしている。燃料税に対する訴訟もE.onから起こりそうだ。EnBWVattenfallはまだコメントを控えている。ダイムラー社は、政府は日本の原発の事故の後に非常に感情的に短期間で決定を下した、と批判的だ。「支払い可能なエネルギー供給からの離脱がリスクであるのは明白だ」と同社社長は語る。


http://www.sueddeutsche.de/politik/koalitionsgipfel-im-kanzleramt-fahrplan-fuer-atomausstieg-der-letzte-atommeiler-soll-vom-netz-1.1103081