2011年5月10日

日雇い労働者、原発事故現場で不本意な重労働に従事(要訳)


SPIEGEL ONLINE - 09.05.2011
 
トラック運転手の仕事に応募し、たどり着いたのは破損した原発エリアだった。
この数週間、何百人もの作業員が福島第一原発の安定化に従事している。その中には日雇い労働の人々もおり、一部、特段の準備のないままに原発に送られた者がいた。
彼らは大阪の職業仲介所を通して福島にやってきた。AFPによると、ある60代の日雇い労働者は、3月中旬、宮城県へ向かう運転手の職に応募したが、仕事は原発事故現場で始まった。防護服と防塵マスクを身につけ、ポンプ車にホースをつなぎ5号機と6号機の冷却に寄与した。職業仲介所に電話し、引き続き破損した原子炉のそばで仕事を続けるべきかたずねたが、最終的に、予定されていた計30日間原発に留まった。

共同通信によると、同じく60代の労働者が、トラック運転手の求人に応じていたが、2週間福島での業務に従事した。彼は、当初の約束の2倍にあたる日当24,000円(約206€)を得た。それに対し、彼は防護服に身を包み5号機6号機の冷却に、当初は線量計を身につけず従事した。「仕事を始めて4日目にようやく線量計を得た」という(略)。

極度の放射線レベルに挑む作業員たち

場所によっては毎時700ミリシーベルト(mSv)にも達する放射線量にもかかわらず、9日、1号機の原子炉建屋に再度作業員たちが入った。原子力保安院によると、最も低い放射線量で毎時10 mSvであった。ドイツでは原発労働者の上限値は年間20 mSvである。「2桁どころか3桁の放射線量を示すエリアは、労働環境として厳しい。作業時にはなんらかの遮蔽が必要だ」保安院の西山氏はいう。東京電力は鉛製の設備や金属製のトンネルが、作業員を放射線から防護するために考えられるという。これまでに30名が、被爆限度の100 mSvを超える放射線に曝されている。

日本の原発産業には悪いニュースがつづく。浜岡原発の停止、さらに敦賀原発では少量の放射能漏れが発生。日本原子力発電は9日漏出箇所は閉じたと発表。調査によると環境への影響はない。漏出原因はこれまで明らかになっていない。